地理の扉 地理資料集
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急峻な国土を持ち伐採や搬出にコストが掛かる日本の林業は基本的に零細で生産性が低い。要所要所で機械化が進められており、バックホウを原型とした新たな林業用機械の導入などが試みられている。
第二次世界大戦で日本の山林は荒廃し、1950年代にかけて全国的に風水害が多発したため水源涵養の必要性が論じられるようになった。1946年に造林補助事業が開始、1950年には造林臨時措置法が制定され1951年には森林法の全面改正をみた(法制上は新設)。一方で先述の水源涵養の観点による治山事業も進められ、1948年には第1次治山五カ年計画が、1954年には治山事業十ヵ年計画が開始され、1956年には造林事業が完了した。
1960年代には日本国内の経済発展に伴い需要が増加したことをうけ、1961年に木材価格安定緊急対策として国内での増伐と丸太などの輸入自由化(関税化)が定められた。しかし、これと国内で過疎化や山村の高齢化が進行したことが影響して安価な海外産材の比率が上昇し国内自給率は低下した。
2002年に木材の自給率は18.8%と最低を記録したが以降は上昇に転じている。これは戦後に植林された人工林が伐採の適齢期を迎えていること(人工林の過半数がそうだといわれている)や、主な木材輸入先であった中国は経済成長で住宅需要が増している一方洪水対策として長江上流での天然林の伐採が禁止されたことで供給量が減少したこと、バイオマス燃料としての利用拡大などが理由として考えられる。
なお、2024年現在日本の現在の木材輸入元の首位はベトナムであり次点は中国。以下は東南アジアや北半球で比較的高緯度の国々が続くものの、年による変動がそこそこある。ニュージーランドやオーストラリアから輸入できないこともないが赤道でカビやすい。