地理の扉 地理資料集
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「自然物に労働を加えて、使用価値を創造・増大するため、その形態を変更・移転する経済的行為」(広辞苑より一部抜粋)。
ex)第三のイタリア
・メリット:同種の企業が集積することで仕入れを共同化し、一度に大量の商品を取り扱うことでコストの低減を図る(=卸売業が進出する)。また、企業間の競争と分業 / 協業(技術や情報の共有、他者との融通や委託なども含む)が促進され、技術水準やサービス水準の向上が期待される。設置にコストがかかる工業インフラ(港湾設備や道路、送電線、上下水道など)を共有できるという利点もある。
・デメリット:過密による混雑(交通渋滞など)、騒音や排気ガスによる公害の発生の可能性がある。さらに事業所の立地により重要が拡大することで地価や賃金水準が上昇し、コストが上昇する。
1960年代に行われた第一次全国総合開発計画のもとで高度経済成長を成し遂げた日本であったが、1970年代以降二度のオイルショックに見舞われ国内での工場建設は下火となった。バブル景気が崩壊すると地方では工場の閉鎖や縮小、海外移転が相次ぎ産業の空洞化が問題となった。
一方、かねてより過密や地価の高騰をうけて生産部門が撤退し開発部門が立地する傾向にあった都心の臨海部では、工場跡地や操車場跡地をオフィス化・商業地域化する取り組みが進められ、汐留や品川、大崎などの副都心が形成されるに至り都市機能を分担している。豊洲や品川シーサイドも代表的なウォーターフロント開発の行われた地域である。
工場は空襲からの疎開目的で移転することがある。これは国内に限らず、第二次世界大戦中のソ連がウラル以東への工場移転を進めていたという例もある。
地元の資本にが長期間に渡って技術を熟成した結果、その地域の特産となった産業。門真のパナソニック...はどちらかというと地域産業のカテゴリが妥当か。以下、主な地場産業を列挙する。
南部鉄器(盛岡)、伝統こけし(鳴子)、将棋駒(天童)、結城紬(結城)、金属洋食器(燕(いわゆる「燕三条」))、輪島塗(輪島)、眼鏡枠(鯖江)、刃物(関)、西陣織(京都)、団扇(丸亀)、タオル(今治)、有田焼(有田(読みは「ありた」))、竹細工(別府)、大島紬(奄美)
サービス産業化。経済水準が向上する一方、マテリアルフットプリントは減少する。知識集約型の産業であるコンテンツ(娯楽)産業も第三次産業である。余談だが、ECは漢字で表すと「電子商取引」。
資本主義経済のもとで市場での需要と供給の関係で価格が決定され、それに応じて生産者と清費者の行動も変化する経済。対して計画経済では社会主義の国家や地方公共団体が生産から販売までを決定する。計画経済と異なり市場経済では生産者が余剰生産物で利益を出せるため農業などの生産性は向上する。これを期して導入されたのが1986年以降のベトナムにおけるドイモイ(刷新)の一部や1990年代以降の中国における社会主義市場経済である。一方で、民間企業を公設企業が補完することは資本主義諸国でも行われており、いわゆる大きな政府はその性質が強い。このようなものをひっくるめて混合経済と呼ぶが、特に後者で国家の経済に占める公共部門の割合が高いもののみを指すこともある。