地理の扉 地理資料集
一人当たりのエネルギー供給量は、所得や経済の水準が同程度の場合は、暖房の需要などから寒冷な地域の方が多くなりやすく、サービス経済化が進んでる方が重工業が海外移転しているので小さくなりやすい。
熱や電力などを用いる効率的なエネルギー利用の方式としてコジェネレーションがあるが、現在はそれを超えて二酸化炭素などまで利用するトリジェネレーションも存在する。
自然界に存在し、人間が採取したままのエネルギー。一次エネルギーを利用して生産されたエネルギーを二次エネルギーという。前者には水力や風力、潮力、薪や化石燃料、原子力、太陽熱などが挙げられる。後者は主に電力。
【参考】世界の地熱発電の設備容量(導入量)ランキング 2019年
アメリカ合衆国、インドネシア、フィリピン、トルコ、ニュージーランド、メキシコ、イタリア、日本
米国ではカリフォルニア州に集中しており、新期造山帯で火山活動が活発な地域に多く見られる。活火山が多い国で盛んだが、その数と比例しているわけではない。
【参考】世界の風力発電の設備容量(導入量)ランキング 2019年
中国、アメリカ合衆国、ドイツ、インド、スペイン、イギリス、フランス、カナダ、ブラジル、日本
中国が次点の米国の2倍以上の発電容量を誇り、世界の風力発電量の三分の一強を占める。
サトウキビやとうもろこしを発酵・蒸留して生産されたエタノールで、植物が原材料であることから再生可能でカーボンニュートラルなエネルギー源として注目されている。サトウキビを中心とするブラジルとトウモロコシを中心とするアメリカ合衆国で生産される分で世界のバイオエタノール生産量の7割を占めている。
米国では1970年代後半から余剰農作物問題への対応策として生産が本格化し、バイオエタノールを混合したガソリンへの税制上の優遇策や小規模生産者への所得税控除などの促進策が採られた。しかし、2007年には生産量が急増したためにトウモロコシ価格が暴騰し、エネルギー自立安全保障法制定の契機となった。
ラプラタ川支流のパラナ川に建設されたダムで、ブラジルとパラグアイの国境に位置する。土木的には世界最大の中空重力式コンクリートダムだが、複数の方式を組み合わせて建築されたコンバインダムである。発電量は1260万kwと中国の三峡ダムが発電機を全機稼働させるまでは世界一の発電量を誇る水力発電所だった。この値は日本最強の揚水発電所である奥多良木発電所でも193万kw(揚水発電所は通常の水力発電所より出力は大きくなりやすい)、ダム式最強の奥只見発電所でも56万kw、東京電力が誇る柏崎刈羽原子力発電所で7機合計821万kw(1機は110万kwもしくは135.6万kw)であることを考えるといかに大きな値かわかる。
水素自体は燃焼しても二酸化炭素にならないため、環境への負荷が小さいとされているが、水素を製造するまでの二酸化炭素の排出具合によって分類がある。ひとつ目が「グレー」で、化石燃料から生産され、その製造過程で二酸化炭素を排出している水素である。ふたつ目が「グリーン」で、化石燃料から生産されるがその過程で排出される二酸化炭素は回収されている水素である。最後が「グリーン」で、生産時点から再生可能エネルギーを用いた持続可能な水素である。オーストラリアではまず未使用の褐炭や石炭を利用して「ブルー」を生産して水素エネルギーの普及に努め、ゆくゆくは「グリーン」へ移行することを計画している。