地理の扉 地理資料集
まず都市圏と地方圏に分けることができ、次に都市圏を近郊と内部に分けることができる。内部はさらに都心と近郊に分けられる。
台地上は地下水位が低く、水理が悪いことが多い(一方の崖下は湧水がみられやすい)が、水はけが良いため森林や桑園から普通畑や果材園と変遷しつつ用いられてきた。洪水で浸水するおそれがなく近年は新興住宅地の立地もみられるが、丘を削り谷を埋めるため地盤が不安定で土砂災害のリスクがある。
大河川の渡し船の発着地として成立した集落を渡津集落という。
大都市には各種政府機関や大企業の本社・支社などの中枢管理機能を有する事業所、大使館・領事館、海外企業などが進出したり立地したりしやすい。支店経済都市では大企業の有力な支店などの事業所が立地する。また、学校や大学も多くなりやすい。
【参考】都道府県別大学数ランキング上位の都道府県(2022年)
1位 東京都 144 2位 大阪府 58 3位 愛知県 52
4位 北海道 37 5位 兵庫県・福岡県 35 7位 京都府 34
8位 神奈川県 31 9位 埼玉県・千葉県 27
大都市には事業所が集中するため昼間人口が大きくなりやすい。一方で過密になる傾向があり、さらに郊外へ電車など公共交通機関で移動することが容易であることから夜間人口は小さくなりやすい。しかし、バブル崩壊以降の地下下落でウォーターフロントの再開発が進み、巨大複合都市と称される汐留シオサイトは居住機能も重視された都市の再開発が行われた地区である。
首位都市とも。国や地域の中で特に一つの都市に人口が集中している場合に、その人口最多都市を指す。ジャカルタやソウル、テヘラン、ブエノスアイレスなどが挙げられる。人口が都市に集積しているためインフラ整備を効率的に行え、労働生産性が向上するなど集積の利益がある一方、人口・都市密度が高いため災害時の復旧や救助の遅れ、国の中枢管理機能の麻痺などのリスクが高まるほか、都市問題[→都市問題]が発生しやすくなる。対策としてインドネシアはジャワ島のジャカルタからカリマンタン島に建造する新首都ヌサンタラへの首都移転を進めており、エジプトでもカイロからの首都移転が検討されている。また、韓国では2012年に(事実上の)国土のほぼ中央部に首都機能の一部を担う新都市セジョン(世宗)を建築した。
都市化が進むと人口過密や土地・住宅不足、地価上昇、渋滞や公害の発生、乱雑な都市開発、失業や貧困層の発生などの問題が生じるようになった。
人口圧の高い都市では過密により土地が乏しく、発展途上国では都市周縁部に、先進国では都市内部の比較的古い街区などにスラムが形成されやすい。スラム地域では低所得層が多く道路や上下水道などの生活インフラの整備が不十分で、さらに高潮や氾濫の被害を受けやすい低湿地や地滑りや表層崩壊、土石流の被害を受けやすい山地斜面に立地する傾向にある。そのため、災害時は避難経路の確保やそもそもの安全対策や防災が十分に行われておらず、緊急車輌も進入しづらいため被害が拡大しやすい。平常時でも、上下水道やゴミ回収など衛生インフラが未発達なために衛生環境はすこぶる悪く感染症が蔓延しやすい。
雑談
実際にフィリピンでスラム街を訪問(といっても集団で通りを一周しただけだが)した際には、確かに道路や上下水道はかなり整っておらず、一方で違法に引かれた電線が山のようにあることに驚いた。そこは港湾に近い低地で、あちこちに水溜りがありそこにゴミが浮いているのだから衛生面も…。
歴史のある街ではリノベーションなどのスモールビジネスが集まり修繕や保全の取り組みが盛んに行われることがある。これに携わる人々を(第一次)ジェントリファイヤーと呼び、知識や技能を持つ若者が担い手となることが多く、古くからの住民と共存したジェントリフィケーションを実現する。一方で、土地収容などを伴う大手ディベロッパーによる都市の再開発のあり方を「一掃型」と呼ぶ。
1969年に新全国総合開発計画が発布され地方と東京を新幹線と高速道路で直結する構想が示された。1977年には第三次全国総合開発計画が策定され、定住権構想のもとで地方振興が企図された。結果東京首都圏に近い割には発展が進んでいなかった東北地方を中心に工場が進出し、高学歴化も進んだ。これにより従来義務教育終了時や高校卒業時にそのまま雇用についていたような業種で人手不足が早くも始まった。1980年代には全国的に光ファイバーの敷設が進み、1984年にはインターネットが開通した。1985年には電電公社がNTTに移管され、電気通信事業の自由化が行われた。この時期はバブル経済を背景に東京一極集中が進行した。
日本程度の規模の場合である。内陸は非熱が小さいため沿岸地域に比べて暖まりやすい。盆地に位置すると風が通りにくくなるため熱気も拡散しにくくなり、都市化によるヒートアイランド現象や地域によってはフェーン現象でさらに気温はあがりやすくなる。
日本の大都市は太平洋ベルト上にある三大都市圏と地方中枢(広域中心)都市に分けられ、三大都市圏の周囲には都市機能の多くを近辺の大都市に依存した住宅衛星都市が位置する。地方中枢都市ほどではないが地方経済の中心となっている都市を地方中心(地方中心)都市と呼び、地方中枢都市の周辺に地方中心都市が、地方中心都市の周囲に住宅衛星都市が位置する。
東京都は情報化と一極集中の傾向により転入超過である一方、大阪府は1985年に円高となって以来の国内製造業の衰退による産業の空洞化により転出超過である。愛知県(名古屋)は自動車産業が地域経済を支え、人口はトントンで推移している。