地理の扉 地理用語集
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地下水が何らかの理由で過剰に地下から排出されることで生じることが多い。具体的には農業・工業用水としての汲み上げ、水溶性の天然ガスの採掘、坑道の排水や地下空間の陥没で起こり、一般的に公害の一種とされる。自然の地殻変動に由来するような地盤沈下は公害とはされない。土質により特に外的要因がなくても沈下する可能性がある。
日本で初めて確認された人為による地盤沈下は1923年の関東大震災を機に東京の沿岸部で発覚したものである。通常年0.5㎜から1㎜のところで年15㎝から17㎝の沈下が認められた。下町低地に位置する江東区は当初標高1〜4mあったとされる地域であるが、現在は地盤沈下の結果標高0メートル地帯である。
東京だけでなく大阪でも戦前から確認され、戦災で地下水汲み上げが停滞したため一時は鈍化していたが、戦後の復興が進むとともに再び悪化した。しかし、伊勢湾台風で濃尾平野の低湿地が甚大な被害をうけたことで、本格的に対策が行われるようになった。
地下水は地表の被覆の増加などで減少することもあるが、水田に水を張ることで涵養できる場合もあり、実際に熊本では工業用水として汲み上げた分を水田に水を張る期間を増やすことで賄おうとしている。外部から流入のない化石水は回復が困難。