地理の扉 地理資料集
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上層数十kmがプレートで、マントル上部の比較的硬い層と合わせてリソスフェア(岩石圏)とも呼ばれる。楯状地では厚さが200kmに至るとされる大陸プレートと、平均して70から80kmの厚さとされる海洋プレートに大別される。海洋プレートは比較的移動速度が大きく、次々に海嶺で生成されては海溝で消失していくため比較的若い。地球は十数枚のプレートに覆われており、その境界(変動帯)は微小な速度で移動しているプレート同士の関係性の違いにより狭まる境界、広がる境界、ずれる境界の3つに分類される。
プレートの由来はマントルで、マントルは上部マントルと下部マントルに分けられ、その中でも流動性が高い部分をアセノスフェアと呼ぶ。更にその内部には外核・内核が存在する。プリュームテクトニクスなどは地学的な内容に寄るうえ、詳細な内容が手元の資料では十分でなかったため省くが、ハワイ諸島のホットスポットは南太平洋超プルームと呼ばれるマントルプルームに由来すると考えられているそうだ(プルームの中でも上昇流をホットプルーム、下降流をコールドプルームと呼ぶ)。
日本周辺はユーラシアプレート(大陸プレート)、フィリピン海プレート(海洋プレート)、太平洋プレート(海洋プレート)、北米プレート(大陸プレート)の4つのプレートの境界となっている地域で、日本列島はおもに火山フロント由来の火山岩や、付加体(海洋プレートが大陸プレートに沈み込む際に、表面や表面に近い岩体が削り取られ、圧縮により厚みを増したもの)で形成されている。
南西諸島沖のフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界を琉球海溝、西日本沖の境界を南海トラフ、伊豆諸島・小笠原諸島沖で太平洋プレートとフィリピン海プレート(いずれも海洋プレートであることに注目、太平洋プレート側が沈み込んでいる)の境界を伊豆・小笠原海溝、東日本沖の北米プレートと太平洋プレートの境界を日本海溝(以上のトラフ、海溝は全て太平洋側に存在する)と呼称する。相模湾から南東に伸びる境界は相模トラフ、駿河湾沖の境界は駿河トラフと称される。トラフは浅い海溝程度の意。
フォッサマグナは北米プレートとユーラシアプレートの境界と考えられるそうだが、北米プレートとユーラシアプレートの境界は全体に未確定の境界とされ試験で言及されることはほとんどない印象。
・マントル対流(プルームテクトニクス)による、花崗岩質で軽い大陸プレートと玄武岩質で重い海洋プレートの移動で大陸の移動などを説明する考え方。かつての大陸移動説の延長線上の発送であるが、大陸移動説そのものではない。
超大陸「パンゲア」その地中海の「テティス海」
・パンゲアは現在のユーラシア大陸・北米大陸の「ローラシアランド」とそれ以外及びインド半島・アラビア半島の大部分の「ゴンドワナランド」で構成されていた。現在の安定陸塊の区分には「アンガラランド」「フェノサルマティア」「シナ地塊」も含まれる。
・朝鮮半島は安定陸塊。
1.原地形:海底や海水面付近の平坦面が、内的営力により急速に隆起して形成。侵食を受けていない。
2.幼年期:平坦面が広く残りつつも、若干の侵食を受け河谷が形成されている。
3.壮年期:河食が進行し、V字谷が形成され、平坦面がなくなり急峻な山地となる。
4.老年期:山稜が崩れていき、山谷の比高が小さくなり、なだらかな山地となる。
5.準平原:ほぼ海水面に近い高さになった平坦な地形。残丘がみられる。
→これが再度隆起し、原地形に戻れば「隆起準平原」。
・安定陸塊で、先カンブリア時代(カンブリア紀以前)の基盤岩が露出している地域を楯状地と呼び、準平原となっているところが多い。
・玄武岩質のほうが粘性が小さく、安山岩質/流紋岩質のほうが粘性が大きい。
・カルデラの中に新たに火山が発生したものを「複式火山」とよぶ。凹地部に形成された平野を火口原とよび、周辺の山を外輪山とよぶ。
・噴出物の例:火砕流(火山ガスや火山灰、溶岩片などが斜面を高速で流下する)、火山泥流(降水や融雪とまざって火山噴出物が流下)、火山灰、溶岩流など。
○鐘状火山(トロイデ):溶岩円頂丘(溶岩ドーム)とも。粘り気の大きい溶岩からなるドーム状の火山。大山、焼岳、普賢岳など。
○塔状火山(ベロニーテ):地下で固結した溶岩塔が突出したもの。昭和新山など。
○爆発火口(マール):山体がなく、凹状の火口のみのもの。湖になりやすい。一ノ目潟、二ノ目潟(男鹿半島)など。
○成層火山(コニーデ):溶岩と砕石物を交互に噴出し、それらが層をなして堆積して生じた火山。富士山、キリマンジャロ山など。
○楯状火山(アスピーテ):流動性の強い溶岩が、扁平に広がった火山。マウナ・ロア山、マウナケア山など。
○溶岩台地(ペジオニーテ):流動性のある溶岩が、広く台地上に広がった火山。デカン高原、ケマ高原(北朝鮮)など。
○カルデラ:爆発や陥没で火山帯の上部が失われた大きな火口状の凹地。陥没は阿蘇山、箱根山などで、爆裂は三原山、磐梯山など。
・湖ができることもある。
○火口原湖:複式火山の火口原に形成。芦ノ湖など。
○カルデラ湖:カルデラの大部分を占める。洞爺湖、摩周湖、支笏湖、屈斜路湖、阿寒湖、十和田湖(青森/秋田)など。
○火口湖:単式火山の火口に形成。御釜(宮城)
○堰止湖:火山噴出物や崩壊した山体にせき止められ形成。富士五湖、中禅寺湖(栃木)など。
○褶曲山地
地殻内部が横からの圧力を受けて曲げられ、波状に屈曲してできた大規模な山地。アルプス山脈、ヒマラヤ山脈、アンデス山脈など。谷の部分を「向斜部」、山の部分を「背斜部」とよぶ。
○断層山地
・地塁:両側を2つの断層崖に挟まれた山地。木曽山脈、赤石山脈、鈴鹿山脈、テンシャン山脈など。
・傾動地塊:山地の片方が断層崖による急斜面、もう一方が緩斜面となっている山地。飛騨山脈、六甲山地、生駒山地、シエラネバダ山脈など。
○曲降盆地
地盤が下方に湾曲し下降(曲降)することでつくられた盆地。ケスタになりやすい。パリ盆地、コンゴ盆地、グレートアーテジアン盆地など。
○断層盆地
・地溝盆地:両側を断層崖によって挟まれた盆地状の低地。諏訪盆地、奈良盆地、タリム盆地など。
・断層角盆地:片側を断層崖の急斜面、もう一方を緩斜面によって挟まれた盆地。亀岡盆地など。
侵食平野 ━┳━ 準平原(モナドノック(残丘)がみられる)
┗━ 構造平野(メサ、ビュート、ケスタ(硬軟互層が選択侵食))
堆積平野 ━┳━ 沖積平野 ━┳━ 谷底平野(河川の側方侵食)
┃ ┣━ 扇状地(谷口集落、水無川、湧水地)
┃ ┣━ 氾濫原(自然堤防、後背湿地、三日月湖、天井川)
┃ ┗━ 三角州(円弧状、鳥趾状、カスプ(尖)状)
┣━ 洪積台地 ━┳━ 隆起扇状地/隆起三角州*
┃ ┣━ 隆起海岸平野(下総台地)
┃ ┣━ 河岸段丘(天竜川、片品川)
┃ ┗━ 海岸段丘 ━┳━ (室戸岬、襟裳岬、三浦半島、野寒布岬)
┃ ┣━ 海食崖(海蝕洞などもみられる)
┃ ┣━ 海食棚(潮間部の波食による平坦面)
┃ ┗━ 海食台(海底の平坦な岩礁面)
┗━ 海岸平野 ━┳━ (九十九里平野、宮崎平野、大西洋岸平野)
┣━ 沿岸州(海岸線にほぼ平行な砂州)
┣━ 浜堤(波や隆起に由来する微高地)
┗━ 堤間湿地(排水悪く、地盤も軟弱)
*(牧之原台地、武蔵野台地、磐田原台地、三方原台地)
※ケスタ:一方が緩傾斜、もう一方が急傾斜で非対称形の丘陵形の地形。
※扇頂・扇央・扇端のうち「扇央」は乏水地で森林や桑園、畑、果樹園が位置する。
※沖積平野は、上流が砂質で下流が泥質。だから、後背湿地は水はけが悪い。
※洪積台地は古い平野が相対的に隆起し(海面低下の可能性もあり)、台地形になったもの。
※河岸段丘は乏水地で畑が多かったが、水利技術の発展で集落や水田の立地が進んだ。
※高位段丘面で果樹園、畑、集落が、低位段丘面で水田、段丘崖では森林などが位置する。
※海岸平野は単調な海岸線、砂浜海岸が特徴。
※海岸平野・海岸段丘はとともに離水海岸であり遠浅。
※海岸侵食において、岩石海岸では軟らかい岩石による海食崖の後退が問題となる。
河川によって運搬された砂や粘土が河口の静水域に堆積して作られた低平な地形。円弧状、カスプ状、鳥趾状の3つに分類できる。単純な土砂の流下量、流度組成、水深・地形、沿岸流、波などに左右される。
硬軟互層の水平層で、硬い岩盤を残し周囲が浸食を受けたために急崖をもつテーブル(卓)状の地形が残されたもの。メサの方が比較的大型で、メサがさらに侵食を受けたものがビュート、岩層が傾斜しており選択侵食を受けたものがケスタだと説明される。硬い岩層は堆積岩や溶岩流に由来する。アメリカ合衆国のコロラド川流域のものが著名。河川の浸食や氷食による。
・浅海暖麗ちゃん:水深5m~20mの浅い場所で、海水(海)で、水温が25 ℃〜30 ℃(18 ℃は下回ってはいけない)の綺麗な海に生息する(が、アマゾン川河口部の深い海に生息しているのも確認されたそうなので例外はある(→ナショナルジオグラフィック))。
・サンゴ礁の北限は日本の南西諸島とされる。
・一般にサンゴ礁というとスキューバダイビングをした時に見られるアレを連想するかもしれないが、地理的には以下の4つに分けられる。最後の卓礁に関しては言及されないことが多い。アフリカ東岸・南米東岸は寒流が低緯度に向かって流れるため、サンゴ礁が発達しづらい。
・裾礁…火山島などの海岸を取り巻いて発達したもの。海面までしか成長できないので、平坦な礁原が広がる。南西諸島やベンガル湾、紅海、オーストラリア西岸で発達する。
・堡礁…裾礁に近い形態のサンゴ礁のうち、島とサンゴ礁との間に礁湖がみられるもの。島の相対的な沈降が開始していると考えられる。オーストラリア東岸から太平洋中部、カリブ海、アフリカ大陸東岸、フィリピン〜カリマンタン島付近で発達する。
・環礁…島が完全に沈降し、リング上に発達したサンゴ礁のみが海面でみられる。モルディブ、太平洋赤道付近から北緯30度にかけてで発達する。
・卓礁…環礁に近い形態のサンゴ礁のうち、礁湖が発達せず楕円形のテーブル状のサンゴ礁が形成されるもの。風やうねりの激しい海域で、直径数km以下の小型のものが発達する。インドネシア、カリブ海の西インド諸島、オーストラリア北岸などにみられる。
岩石が位置を変えずに地表における作用で変質すること。熱や水による風化を化学的風化と呼び、高温や多湿な環境下でその影響が大きい。膨張や収縮の繰り返しによる風化を物理的風化と呼び、日較差が大きい冷涼や乾燥な環境下でその影響が大きい(実際は高温小雨≒砂漠気候でも日較差が大きくなるためそれなりに影響が見られる模様)。間帯土壌は基盤岩の風化などで形成される。
「砂漠」は本来はすなさばく(砂砂漠)とする説明もあるようだが、現代では多様な砂漠をひっくるめて「砂漠」と表記する。
・寒冷砂漠→ツンドラを参照
・雨陰砂漠
・中緯度砂漠
・海岸砂漠
・内陸砂漠
・砂砂漠(エルグ)…タクラマカン砂漠やグレートヴィクトリア砂漠。雨が降るとワジやペディメント(崖錐、急傾斜地と平地の間の緩傾斜地)が形成される。
・礫砂漠(レグ)…サハラ砂漠、アタカマ砂漠
・岩石砂漠(ハマダ)…サハラ砂漠、ゴビ砂漠