地理の扉 地理資料集
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カスピ海に面し、イランと国境を接する。CIS構成国で、国内にナゴルノ・カラバフ自治州の独立問題を抱える。産油国であり、バクー油田やカスピ海油田などが産業の基盤で、バクーからトルコのジェイハンまでBTCパイプラインが敷設されている。
BTK鉄道など、位置・地理的中立性を活かして貨物の中心地を目指している。バクーを中心とする、シルクウェイウエスト航空など中国とヨーロッパ間のコンテナ輸送の中継地である。
地中海性の気候で、ブドウや綿花などの栽培が盛ん。
経済力・軍事力ともに世界最大級の国家。情報産業コングロマリットが多数存在するカリフォルニア州は今や日本を抜いてGDPではドイツに次ぐ世界4位の経済規模を誇る地域となった。
農業が盛んな州は首位がカリフォルニア州(2位以下の二倍強)、ついでアイオワ州。アイオワ州以降の2位〜6位は全て米国中西部(イリノイ州、ネブラスカ州、ミネソタ州)の州が続く。畜産が盛んな州は、首位がテキサス州(牛の飼育頭数が1位)で、ついでアイオワ州、ネブラスカ州、カリフォルニア州、カンザス州と続く。
参考:米国内でその州が生産量首位の農作物
・アイオワ州:とうもろこし、豚、鶏
・アイダホ州:大麦、ばれいしょ
・アーカンソー州:米
・イリノイ州:大豆
・カリフォルニア州:農業生産額、オリーブ、プルーン、牛乳
・テキサス州:戸数、農地面積、畜産額、綿花、干し草、牛、羊(※ジョージア州〜ルイジアナ州の綿花地帯はテキサス州側に移動している)
・ノースカロライナ州:タバコ
・ノースダコタ州:小麦、えん麦
・ハワイ州:コーヒー他
・フロリダ州:サトウキビ、柑橘類
・ワイオミング州:農家一個あたりの農地面積(969ha)
・ワシントン州:ホップ
シアトル
ワシントン州のシアトルはボーイングが生産拠点を置き航空機産業が盛んな地域である。これはもともとコロンビア河谷開発公社(略称はCVAだがいずれもメインの参考資料による表記。ボンネヴィル電源開発公社、ボンネビル電力局という記載の資料もあるが、これらがCVAと同一かは確認できていない)のもとで建設されたグランドクーリーダムから水資源の供給を受けコロンビア盆地での小麦栽培が拡大すると同時に電力の供給も受けスポーケンでのアルミニウム工業が発達していたことも理由である。
なお、ボーイングの本社自体はバージニア州であるほか、航空機は国際分業が盛んな産業である(既に冗長化仕切ったような技術から最先端技術までが要求される)ことに留意されたい。
デトロイト
ミシガン州のデトロイトは五大湖付近の自動車工業で栄えた都市。1950年代の最盛期には人口は190万人近くに達したが2000年頃まで急速な減少が続き、以降は横ばいで60万人と少しで推移している。都市としての歴史は古く、1701年にはフランス人が入植していた。1805年の大火で計画的な都市づくりが行われたがそれ以上にこの都市の運命を買えたのは1903年のフォードの工場設立である(のちにゼネラル・モーターズやクライスラーも工場を立地させた)。これはアパラチア炭田とメサビ鉄山、それに五大湖と付帯する水運網という理想的な環境が整っていたからである。
しかし国内の炭田や鉱山が枯渇するとともに日本やドイツメーカーとの激しい競争にさらされたアメリカ合衆国国内の自動車業は後退し、デトロイトの人口も急減、社会保障制度が立ち行かなくなりかねないレベルでの人口減少を記録し治安も悪化した。近年、日系企業などはデトロイトを集積地として周囲の州とハイウェーで結節し生産されたものを輸送する形態を取ってアメリカ合衆国国内での生産を維持している。これはハイウェー沿道の州が税制面での企業優遇政策を採っていることや、結局一大消費地のニューヨーク大都市圏に近いこと、アメリカ合衆国政府への政治的な配慮などが理由である。沿道州の代表例としてはミシガン州やインディアナ州、オハイオ州、テネシー州、ミシシッピ州、ウェストバージニア州、ケンタッキー州、アラバマ州などが挙げられる。
参考:アメリカ合衆国の都市 人口ランキング
1.ニューヨーク 2.ロサンゼルス 3.シカゴ 4.ヒューストン
アラビア半島東岸に位置し、ペルシア湾に面するアラブ首長国連邦(UAE)は冬季に多雨な気候で、冬から初夏にかけて北西季節風に由来する「ショマール」という砂嵐が吹く。山は最大で3000m近くに到達する一方、近海は遠浅で温暖な気候のためサンゴ礁[→大地形・小地形|サンゴ礁]が発達し魚類も豊富に見られる。かつては真珠の採取も盛んだったが、日本の御木本氏の養殖成功と発展、さらに世界恐慌のあおりを受けて衰退した。
UAEは都市国家規模の複数の首長国と面積の7~8割を占めるアブダビ首長国で構成されている。連邦の国土は日本の北海道とほとんど同程度である。
連邦中最大の面積を誇るアブダビ首長国にはUAEの首都が位置しているほか、連邦随一の豊富な油田を持つ産油国でもある。ドバイの面積は順位的にはアブダビに次ぐが、その差は15倍を超える。石油資源に恵まれなかったドバイは工業化を試みたが国内市場の小ささと熟練労働者の不足で成功せず、現在は世界の金融センターとしての地位を確立している。ドバイはUAE中最大の都市でもある。
以降は日本人からするとマイナーだが、アジマン首長国は漁業が中心で、シャルジャ首長国は人口・面積共に3番手で、漁業と真珠業の他にはオアシス農業で生計を立てている。ウム・アル・カイワイン首長国は連邦の中でも小さな国土で、元々は海賊を生業としていた勢力であり現在は漁業とオアシス農業(ナツメヤシ栽培)が盛んだが社会は閉鎖的である。ラス・アル・ハイマ首長国はペルシア湾岸から山岳地帯にかけての農業国。フジャイラ首長国は地中海に似た風光明媚な地域で、水に恵まれ山岳地帯ではカナートも見られる。フジャイラ首長国の沖合では油田開発が進められているとのこと。
イギリス植民地時代にはカタールやバーレーンもセットで扱われていたが、石油が産出する両国は連邦に加盟しなかった。連邦の予算はほとんどアブダビが負担しているという資料もあったが、現在はドバイが経済的に発展しているため若干古い資料である可能性がある。
大ブリテン島
北端東部の切れ込み(カレドニア地峡)を少し辿るとネス湖があり、さらに南東に進むとシリコングレンがある。シリコングレンを過ぎて西岸に着いたところがグラスゴーである。グラスゴーと緯度をほとんど同じくして東岸にあるのがエディンバラ。エディンバラのある切れ込みがスコットランド地溝帯であり、その南部にはサザン高地が広がってイングランドとスコットランドの境界をなしている。
ウェールズにある主な都市はウェールズ南端のカーディフのみで良い。ウェールズ北東端付近にリヴァプールがあり、そこからイギリス中央分を縦貫するペニン山脈方向へ西進するとマンチェスターがあり、さらに西進して分水嶺を越えるとやや北方にリーズがある。リーズからそのまま北上すると、突き当たる海岸部にはミドルズブラがあり、海岸沿いに南下するとキングストンがある。ドーバー海峡直上のエスチュアリーを遡上すると湾奥に存在するのがロンドンで、マンチェスターとロンドンを結んだ直線のちょうど中点付近がバーミンガムだ。イギリス南端には大陸に面した都市として、東から順にドーヴァー、ポーツマス、プリマスが存在する。
アイルランド島
北アイルランドのイギリス側沿岸の中央部にあるのがベルファスト。アイルランド島のイギリス側中部にあるのがダブリン。
国土の大部分は乾燥地帯で、平野の多い国家。北部の高原地帯周辺では降雪もあり、降水量が比較的多くなっている。国土中央部のメソポタミア平野を貫流する外来河川であるティグリス川・ユーフラテス川は湿潤地域であるトルコを水源に持つ。
ティグリス川・ユーフラテス川の水を小麦栽培などの灌漑用水に利用している。両河川とも外国の湿潤地域に端を発することから、イラクは水資源の他国依存度が高くなっている。
国土の大部分が山岳地帯かつ乾燥地帯であるが、冬季には若干の降水がみられる。北部のカスピ海沿岸は地中海性気候。新期造山帯のザグロス山脈やイラン高原では冬季に降雪がみられる。
ペディメントとよばれる、平野から立ち上がった山麓の緩斜面に浸透してできた地下水を遠くまで導水して灌漑に利用しており、この際に蒸発を抑えるために編み出された技術がカナートである。カナートと同様の水路はサハラ砂漠ではフォガラ、中央アジアではカレーズ(キャリーズとも)、中国西部ではカルアンチン(カルナンチン・カンチンなどとも)とよばれる。
地下水の主たる水源は融雪水であるが、20世紀半ばから動力ポンプによる地下水の直接汲み上げが増大し、供給される地下水よりも利用される水のほうが多くなったため、枯渇したカナートも増加している。なお、以上の事情からイランの地下水への水資源賦存量は多くなっている。
インド亜大陸の全域にわたって広がる国家。近年人口が中国を超え世界1へ躍り出た(約14億年、ただし入試で使われる統計は若干古いことが多いので注意)。「バーラト」は「インド」と並ぶ正式名称。若干思想を感じるが、興味深いので記載した。
インド半島東部の沿岸から、ヒンドスタン平原の東部、さらにアッサム地方にかけてコメの栽培が盛ん。北西部(パンジャーブ地方)からガンジス川上流のヒンドスタン平原の西部にかけては小麦の栽培が盛ん。要するに西部が小麦で東部が米である。デカン高原では雑穀が中心。デカン高原中部では綿花栽培も盛んである。
近年、インドでは生乳の生産量が急増している。経済発展による生乳・乳製品の需要増加に加え、冷蔵設備・輸送設備が充実してきたことや酪農協同組合の設立による生産の安定も理由にあげられる。さらに、緑の革命により飼料となる穀物の増加もあるが、一方で緑の革命のような膨大な初期投資をせずとも始められ、収入源となるのが酪農の利点でもある(緑の革命→白い革命→ピンクの革命)。
世界1位の石炭輸出国(産出量では3位)。パーム油では輸出・生産ともに世界1位。工業化の進展が比較的遅く、国内人口が多いことから輸出依存度は低めである。
インドネシアの首都ジャカルタや工業・港湾都市のスラバヤを擁し、人口の6割が集中する。そのため、インドネシア政府はボルネオ島に造営中の新首都ヌサンタラへの首都移転を決めている。なお、スサンタラは依然密林である。(建築は進んでいるが)。
サバナ気候が広がる島の東都ではコーヒーや茶、サトウキビの栽培が行われ、コーヒーの生産量は世界で3番目である。熱帯雨林気候が広がる西部では天然ゴムやカカオの栽培が盛んで、天然ゴムの生産量はタイに次いで世界2位である。山がちなため棚田での稲作が行われる。
年率5~6%の高い経済成長を記録している一方、国内産業は未発達で、産業の構成比率をみると紅茶・茶の次はバラなどの花卉栽培、除虫菊の栽培、外資系の繊維業がランクインする。
[→旧ユーゴスラビア]
コンゴ川の西、赤道直下のコンゴ盆地に位置する。1958年以降フランス共同体内の自治共和国となり、1960年のアフリカの年にアフリカ初の「人民共和国」として独立した。コンゴ労働党の手で1970年にアフリカ初の人民共和国となった。1991年以降は複数政党制に移行、以降は国名をコンゴ共和国に改めている。1997年から内戦が続いたが、アンゴラ軍の支援で終結、2002年にアンゴラ軍は撤退。
石油に依存するが、木材輸出も盛ん。パーム油などの生産も行われる。内戦で経済は打撃をうけ、主にフランスの支援をうけて復興を進めている。対外債務の増大問題が顕在化。
通年亜熱帯高圧帯の影響下にあり、国土の全域がほぼ砂漠気候である。また、国外から流入する大規模な外来河川も存在しない。
グレートプレーンズで開発されたセンターピボット方式による灌漑が1980年代以降拡大し、一時は小麦の自給(および余剰分の輸出)を達成した。
しかし、水源となっているサウジアラビアの帯水層は化石帯水層(新たな地下水の供給が見られない)であり、汲み上げの増大が枯渇のリスクを高めたことや、乾燥地に灌漑を行うことによる毛細管現象由来の土壌の塩性化が発生したことをうけ、2000年代後半にセンターピボットが廃止され、灌漑農地や小麦の生産量は激減した。
※塩性化:土壌塩化、塩類集積、塩害。灌漑の余水が地下に浸透し塩類を溶かし、それが毛細管現象で地上に出て蒸発する際に塩類だけを残す。
公用語が英語。
東部には丘陵地が広がり、西〜南岸はリアス海岸で、穏やかな水面を利用して海苔の養殖が盛ん。国内のほぼ全域が温帯で、北朝鮮との国境付近のみ亜寒帯が分布し全国的に冬季は雨が少ない。1970年代に農業の近代化が図られたが依然零細農家も多い。北部では水稲と冬小麦の二毛作が行われ、南部では野菜や工芸作物の栽培が盛ん。
朝鮮戦争を経て北緯38度線付近の休戦ラインで南北に分裂し、北部は朝鮮労働党が支配する朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が、南部には大韓民国(韓国)が成立した。
半島を通して、日常生活の中に儒教の影響が強く見られるが、宗教というよりも良識・マナーに近い感覚のため韓国などではキリスト教徒が3割を占める。
表音文字であるハングルを使用し、伝統的服装として女物のチマチョゴリなどが挙げられる。床暖房のオンドル、冷麺や唐辛子を利用した保存食のキムチなども有名。
地下資源に恵まれないために輸出加工区を設置するなど輸出志向型工業化政策が行われ、1960年代後半には漢江の奇跡と呼ばれる経済成長が始まり、当初は軽工業中心だったが70年代には重工業化を達成、70年代後半には機械産業が発達した。
90年代からは産業のハイテク化が進展し96年にはOECDにも加盟したが、賃金の上昇に伴う競争力の低下、タイのバーツ暴落に起因する97年のアジア通貨危機、国内の地域間格差の拡大、先進諸国との貿易摩擦などの問題も発生した。
現在は韓国経済の特徴であった財閥の整理など改革が進められ、造船・家電・IT機器・自動車の分野で世界有数のシェアを誇り、小さい国内市場を反映し、輸出に有利な音楽やゲーム等といったコンテンツ産業の育成も進められている。
韓国は人口密度が高く、総人口の約半数が首都圏に、更に五分の一がソウル市に集中している。仁川国際空港、KTXなど交通も発達している。
北部の山間部、南部の平野部、さらにマレー半島部に区別して考えると良い。例えば北部の山間部では稲作が盛んで、南部では天然ゴムのプランテーションが行われている。またマレー半島部ではアブラヤシのプランテーションが盛んだ。そのほかパイナップルやマンゴー、サトウキビ、キャッサバなどの熱帯性作物の栽培も行われている。
環太平洋造山帯に位置する新期造山帯の島で、本州島より小さいが島の太平洋側を縦貫する台湾山脈には4000m近い山も分布し日本より急峻。台湾島中部を北回帰線が通過する。Cfa気候の国で南端のみ熱帯モンスーン気候が分布するが全土を通じて温暖で、熱帯性作物の栽培が行われる。南部の平野では灌漑が発達し稲作が盛ん。
東南アジア由来の先住民である高山族が居住するが、清代に本土の政治体制に組み込まれ、日清戦争後第二次世界大戦までは日本の植民地だった。戦後、国共内戦に敗れた中国国民党政府が根拠地としており、これ以前に台湾に移住していた人々を「内省人」、これ以降に移住した人々を「外省人」と呼称する。
台湾はアジアNIEsの一員とされるほど工業が発達しており、台湾島南部の高雄などに輸出加工区が設置され工業生産が盛ん。島北部には新竹(しんちゅー)が位置し、台北に近い立地とサイエンスパークに指定されていることからエレクトロニクス産業(半導体など)が集積し、台湾のシリコンバレーとも呼ばれる。
経済発展から台湾から中国沿岸部への投資額は増加傾向で、日本へはパソコンなどの機械類や魚介類の輸出が盛んに行われている。
※ 台湾島と九州の面積はほとんど同じ。
[→中国]
南アメリカ大陸の南西に位置し、南北に細長い独特の形状をしている(海岸線の長さは6,000km超え。日本は35,000kmだから...意外と短いのか?)。北部のアタカマ砂漠が広がり、中央部には地中海性気候、南部には冷涼な西岸海洋性気候、そして最南端には寒帯気候が広がるなど、国土における気候の変化が大きい。
太平洋に浮かぶイースター島もチリ領。世界初の自由な選挙による社会主義政権(アジェンデ政権)が成立した国家だが、経済の停滞などからピノチェトがクーデターで政権を奪取し、長期にわたる独裁政権を築いた。1990年に民政移管。
世界有数の銅産出国で、リチウムなどの鉱物資源も豊富。公用語はスペイン語で、カトリックが多数を占めている。
元々ノルウェーで盛んだったサケ(鮭)やマス(鱒)の養殖だが、国をあげた日本からの技術移転(ニチロ、現マルハニチロ)が行われ、チリでの生産が急拡大した。2007年時点で、世界の養殖量の43%がノルウェーで、チリが36%でそのあとを追っている。日本のサケ・マスの輸入量の60%はチリ産である。
北部には溶岩台地のケマ高原が広がり、中国との国境部の北端には長白山脈が発達しており、最高峰は白頭山。北端の山脈に沿って中北国境となる鴨緑江が流れ、遼東半島南部に流下する。同じ水源地から北中露の国境となるトマン川が流下する。
朝鮮戦争を経て北緯38度線付近の休戦ラインで南北に分裂し、北部は朝鮮労働党が支配する朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が、南部には大韓民国(韓国)が成立した。
半島を通して、日常生活の中に儒教の影響が強く見られるが、宗教というよりも良識・マナーに近い感覚のため韓国などではキリスト教徒が3割を占める。
表音文字であるハングルを使用し、伝統的服装として女物のチマチョゴリなどが挙げられる。床暖房のオンドル、冷麺や唐辛子を利用した保存食のキムチなども有名。
韓国北部と同様の冷帯冬季少雨気候に国土のほぼ全域が覆われ、冬季は極寒で北部の鴨緑江は凍結する。冬から春季にかけてシベリア高気圧の影響を受けて三寒四温の天候となる。石炭(=古期造山帯)や鉄鉱石(=安定陸海)、タングステンなどに恵まれ、南北分断前は「北の鉄鉱業、南の農業」と形容されたが現在はほとんど枯渇。
主体思想(チェチェ思想)に基づく千里馬運動(チョンリマ運動)が行われ、朝鮮労働党の指導による集団的生産向上・社会発展促進を目指したが、現在は国際的に孤立している。なお、国際連合には加盟している。
第二次世界大戦後に大量の移民を受け入れ、現在でも世界で2番目の移民受け入れ数を誇るドイツは、ドイツ人の国家でありながら国内に多数の異民族を抱える国家である。その一方で1973年の石油危機では失業率が高まったほか、現在もドイツではドイツ人・移民共に失業率の高い社会が続いている。そのために社会保障費が増大し、言語の障壁や文化的な差異もあり、対立感情が高まっており、一部では排斥の動きも見られる(→ネオナチ[Wikipedia])。
参考:ドイツの都市 人口ランキング
1.ベルリン 2.ハンブルク 3.ケルン
ケルンは世界最大の高さの尖塔を持つゴシック様式のケルン大聖堂で知られる。
南部のニジェール川デルタ(ニジェール・デルタ)はギニア湾岸に面する広大なデルタで、農耕が盛んであるとともに油田地帯でもある。1967年から1970年にかけて、イボ人とその他の民族による内戦(ビアフラ戦争)が発生した。油田地帯を領域とするイボ人はビアフラ共和国の分離独立を宣言していたが敗戦、多数の餓死者や死傷者を出しつつ終結した。ナイジェリア内戦とも。
バナナの生産が盛ん。比較的英語話者も多いのでコールセンターなどのBPO業務(Business Processes Outsourcing Service)が立地している。
フィリピン最大の島で南西岸には首都マニラがある。モンスーン気候帯に属しサバナ気候が広がるため米の二期作や熱帯性作物の栽培が行われる。西部のピナトゥボ火山に代表されるように火山が多い。棚田も見られ、コルディリェーラ(同島北部)の棚田群は天国へ至る階段とも呼ばれる。フィリピンの領域は大半が北のルソン島と南のミンダナオ島にはさまれた区域に属する。
安定陸塊が国土の大半を占めるため、燃料資源には恵まれなかった。そのため、代替燃料のバイオエタノールを利用するFlex燃料車などが普及した。バイオエタノールの生産もアメリカ合衆国に次ぐ世界2位を誇る。しかし、現在では海底油田の開発に成功し、原油の自給率は100%である。
エンブラエルという元・国営のジェット機メーカーが存在し、エアバスやボーイングに比べると存在感は薄いがそれでも世界3位の航空機メーカーである(ただし、「航空産業」という観点では航空機での国際分業が極めて発達していることから単にメーカーの所在地だけでは決定できない)。リージョナルジェットが主軸のようで、日本国内でも就航している模様。
ブラジル南部のブラジル高原では、コーヒーのプランテーションが、北東部ではサトウキビのプランテーションが行われる。コーヒーは輸出向けの企業的栽培が盛ん。サトウキビ栽培はファゼンタでコロノを使役することで行われている。
近年、カンポセラードとよばれる地域での大豆の生産が急拡大している。元々は粗放な牧畜地域であったが、中国などでの大豆需要の拡大を受けて転換が進んだ。大豆は植物性油脂の原料として有用なうえ、搾りかすは飼料などとして利用できる。世界の大豆輸出量の40%をブラジルが占め、輸出量の60%を中国が占めている。
自国を舞台にした二度の戦争でアメリカ合衆国を追い払ったために、「アメリカ合衆国に勝った唯一の国」とまで言われることがある。
インドシナ戦争、ベトナム戦争での混迷を経てようやく1976年に南北を統一したベトナム社会主義共和国が成立した。そのため目に見えて経済発展が始まるまでが遅く、1986年にスタートしたドイモイ(刷新)政策の効果は2000年代以降の工場立地急増で実証されることとなる(ドイモイ開始で労働者の育成が始まり、ある程度の期間を経たことで一定数の熟練労働者を確保できるようになったため)[→主な国際機関・国家間協定|ASEAN]。現在、経済発展中。
ベトナム南部に存在するハロン湾はトンキン湾の支湾であり、風光明媚な石灰岩質の奇形の島々で知られる。
香港は旧イギリス領。1997年7月、以後50年間は資本主義体制を維持するという「一国二制度」を採用するという約束のもと中国に返還された。中継貿易や金融業で栄え、中国からの難民を労働力とした衣類・繊維品の生産や、電子機器や精密機器の生産も行われている。
マカオは旧ポルトガル領。チュー川のデルタに位置し、1999年末に中国に返還されたが、それ以前もポルトガル本国による統治の実態はほとんどなかった。カジノなどのリゾート開発が盛ん。
東南アジア諸国の中では輸出額が大きく、機械類の輸出が盛んなほか、天然ガスが産出する。天然ガスの輸出先のトップは日本(日本の輸入元トップはオーストラリアで、ついでマレーシア)。1970年代にペナン島に自由貿易地域(輸出加工区)が設置され、ルックイースト政策のもとで輸出指向型の経済発展が進んでいる。
人口約6000万人、黒人が8割を占める国家。かつて有色人種差別政策で知られたが、国内での反発、ネルソン=マンデラらによる運動、国際社会の批難の高まりや経済制裁をうけて、デクラーク大統領のもとで1991年6月に完全に廃止された。日本人も有色人種だが、日本は先進国で経済的な結びつきもあったため政治的配慮から「名誉白人」とされ差別の対象外であったというエピソードもある。
憲法上の首都は行政府がプレトリア、立法府がケープタウン、司法府がブルームフォンテーンに置かれているが、最大の都市は人口490万人を擁し旧トランスヴァール共和国の首都であったヨハネスバーグである。ヨハネスバーグには同国最大の金鉱がある。
1910年までにイギリス連判の自治領となり1961年に共和国として独立したが、工業化はあまり進んでおらず、輸出品目は資源への依存度が高い。
1962年以降、近年(2011年)まで軍事政権が支配していたため経済制裁を受けて経済発展は停滞。アウンサンスーチー氏のもとで民政移管が行われたが、2021年に軍事クーデターが発生し軍事政権に逆行した。
東アジアに位置しモンゴル高原北部を占める平均標高1600mの内陸乾燥高原に位置する国家。西部は古期造山帯のアルタイ山脈で石炭を産し、南部にゴビ砂漠、中央部に短草草原、北部にタイガとステップが広がる。年較差が大きく冬季は極寒。
面積は日本の4倍以上だが人口は40分の1ほど、人口密度も日本の150分の1ほどである2人/km2で国連加盟国中最低。世界で2番目の社会主義国で、ネグデルと呼ばれる農牧業協同組合による集団化を図ったが1992年に社会主義を放棄した。馬と羊の放牧が中心産業で、馬を役畜 / 燃料 / 交通 / 飲料として活用するが、遊牧民の定住化も進む。ゲルを使用。チベット仏教の信仰が盛ん。ロシア文字とモンゴル文字(復活)を使用する。
山岳地域が国土の大半なうえメコン川での水運は困難。主要産業は農林業であり、所得水準が低い。
隣接するタイや中国、ベトナムと密接な関係を構築しており、輸出額の8割をこの3国が占める。全体に丸太の輸出が多いほか、中国へは銅鉱石を、ベトナムには製材を特に多く輸出している。
タイにおいて経済発展し電力需要が増加したことをうけ、ラオスは外国資本の導入によりメコン川流域での電源開発を進め、「インドシナのバッテリー」としてタイ(現在はベトナムも増加)へ電力を輸出している。現在、電力はラオスのタイへの首位の輸出品目となっている。内陸国のラオスでは輸送の不便もあり外資の進出がわずかで、製造業による輸出指向型工業化を進めるのが困難である。
電力供給の増加は国内産業の発達を促進するが、ダム建設は自然環境や生態系を破壊し水質を悪化させる懸念があり、漁業も衰退しかねない。