地理の扉 地理資料集
基本的に赤道直下に位置する。
年中高温だが、高日季に赤道低圧帯が卓越し低日季に亜熱帯高圧帯が卓越するため雨季と乾季が明瞭である。
半乾燥地の植生(温帯草原)を指し、ケッペンの気候区分ではステップ気候に属する。短草草原で、腐植が良く発達して肥沃な土壌(チェルノーゼムやパンパ土、プレーリー土)が広がる。
高山気候とも表記され、略号はH。森林限界より上に分布する寒帯やツンドラ気候を含んだ気候帯。ケッペン自身が気候区分を定めた際には用いられなかったもので、表記されない場合もある。標高が高いため日射が強烈である。高山性気候は温帯高山と熱帯高山に分けられる。
温帯高山はチベット高原、アルプス山脈、ロッキー山脈、日本アルプス中などに分布する。気温の年較差が大きく、夏と冬が明瞭になる。降雪も多く、寒冷になるため居住には適さない。
熱帯高山はボルネオ島やニューギニア島、アフリカ東部の高地やエチオピア高原、メキシコ高原やアンデス山脈などに分布する。常春気候とも称される通年冷涼な気候(寒冷ではないことに注意)で、年較差は日較差より小さい。過ごしやすい気候である。
緯度、標高、隔海度、水陸分布、地形、大陸東岸・西岸など。
海流は恒常風などの風によって生じる。一応この順序がある。海流は少し沖合を流れている。
赤道付近は赤道低圧帯に位置するので、気圧は低い。亜熱帯高圧帯の位置する緯度30°付近は高い。また、大陸が比較的多い北半球は、海洋性の南半球に比べて低気圧が卓越する夏季と高気圧が卓越する冬季の差が明瞭である。特に、ユーラシア大陸の北緯30°から60°にかけてその傾向が顕著である一方、アリューシャン列島やアイスランド付近では亜寒帯低圧帯も発達する。
降水量は赤道付近で多く、低緯度地域で少なくなる。緯度10°から30°付近では夏に海洋性、冬に大陸性の季節風が吹くため、降水量の年較差が大きくなる。南緯40°付近の南半球はほとんどが海のため、気温や降水量の年格差はかなり小さくなる。
動植物の生息域を隔てるライン。バリ島とロンボク島の間とスラウェシ島とカリマンタン島の間の海域に引かれ、この線よりユーラシア大陸側で見られるマツやフタバガキ、コモドオオトカゲがこの線よりオーストラリ大陸側では見られない一方、ユーカリや有袋類はオーストラリア側でしか見られない。
夏と冬で向きが変わる。
年較差
気温や水温などの年最高値と年最低値の差。気温の場合は最暖月平均気温と最寒月平均気温の差を用いることが多い。
海面更正
気圧や気温などの観測値を観測地点直下の海面高度の値に換算するもの。気温では高所の気温を気温逓減率を用いて換算する。
気温や水温などの年最高値と年最低値の差。気温の場合は最暖月平均気温と最寒月平均気温の差を用いることが多い。
気圧や気温などの観測値を観測地点直下の海面高度の値に換算するもの。気温では高所の気温を気温逓減率を用いて換算する。
日本海側は北西の季節風により冬に雨が多い。九州北部は梅雨前線が加わり、瀬戸内も同様だが山脈に遮られ季節風が届かない。関東北部は秋雨前線や台風の影響をうけるが冬には乾燥する。
中国大陸から日本海に向けて吹き出す寒冷で乾燥した北西季節風は、暖流の対馬海流が流れる日本海を通過する過程で水蒸気を獲得するとともに0℃付近にまで温められ、日本列島の脊梁山脈にぶつかって上昇することで上空の寒気に触れ、日本海側に雪を降らせる。
強力な低気圧である台風が日本海を通過すると太平洋側から南風が脊梁山脈を越えて吹き込み、高温で乾燥した風となることで日本海側でフェーン現象が発生する。台風は低緯度地域に由来する移動性低気圧であるが、雨が降るため台風通過後は気温が低下することが多い。
主な発生地は一般にペルー沖と表現されることが多いが、実際はペルー沖以上の広がりを持つ現象なので、東太平洋などと表記する方が良い。
通常、東太平洋では赤道を境にして北側で時計回りに北赤道海流が、南側で反時計回りに南赤道海流が流れており、その間を赤道反流が流れている。南北両赤道海流は貿易風の影響を受けており、北赤道海流はそのまま東アジアに達すると黒潮に、南赤道海流はアフリカ大陸西岸に達するとペルー海流(フンボルト海流)に接続する。
これらの事情から、東南アジアの低緯度地帯に暖かい海水が押され続けていると説明されて、ラニーニャ現象・エルニーニョ現象はその「押され具合」の変化によって生じるとされる。
エルニーニョ現象は貿易風が弱い時に発生し、東太平洋岸にまで熱帯の暖かい海流が広がるため西側で高気圧傾向となる。ユーラシア大陸東岸で旱魃、冷夏、暖冬を生じる。暖冬になるのは、西高東低の気圧配置になりづらくなるため。一方、東太平洋岸では豪雨やアンチョビーの不漁が生じる。ガトゥン湖(パナマ運河の中間地点にある人工池)の水位が低下するらしい。
ラニーニャ現象は貿易風が強い時に発生し、西太平洋に暖かい海水が留められるため、西側で低気圧傾向となる。日本では西高東低の気圧配置が明瞭となって冬は寒くなり、東南アジアで多雨傾向となる。東太平洋岸の湧昇流が増大する。ラニーニャは日本の夏が高温になる